ドイツの自動車メーカーの一つとして、知られるアウディ。タフなボディとは裏腹なエレガントなスタイリングが魅力で、高級車として高い人気を誇ります。アウディにはどんな特徴があるのか、こちらでご紹介していきます。
独自の境地を拓いた「アウディ」
バイエルン州インゴルシュタットに本社がある「アウディAG」。株式の99%を保有するフォルクスワーゲンAGの一員として、中級~上級車の市場をカバーしています。
代表者は2006年に就任したルパート・シュタットラー会長・CEOです。彼は、2009年度の「ユーロスター」に選ばれ、自動車業界最高の経営者として称えられています。
高品質かつトップレベルのブランドを常に維持するためには、正しい眼力を持った指導者がいなければなりません。アウディの躍進の土台を支えているのが、アウディ・グループ・デザインを率いてきたワルター・デシルヴァ氏であり、アウディ・ブランドのチーフデザイナーのシュテファン・ジーラフ氏です。
そして、彼らのチームを支えていたのが、シニアデザイナーの和田智氏でした。デシルヴァ氏は、アウディのプレゼンスを挙げるためにシングルフレーム・グリルを和田智氏とともに考案し採用しました。
それ以降、デザインを変えながら新世代アウディのアイコンとして定着させていったのです。
アウディの過去のデザイン・リーダーたち
ハートムート・ヴァルクス
1976年~1993年までアウディのデザインを指揮していました。システムやエンジン、ボディの開発やデザインなど積極的な戦略がとられ、ジョルジェット・ジュジャーロというスーパーデザイナーとの協力関係が持続したことで、アウディは大きく躍進し、ブランディングに成功しました。それらの功績から、アウディには例外的な17年という長期在任となりました。
J・メイズ
1980年にアウディに入社し、アウディ80(1984年)の開発に携わります。その後、シニアデザイナーとしてアウディ100(1991年)プロトタイプをデザインします。1989年にはVWのカリフォルニア・ステュディオのヘッドに昇進しました。1993年にアウディ・デザイン部長として活躍します。
ペーター・シュライヤー
1979年~1980年までアウディの奨学金を受けてRCAを学び、アウディのインテリア・エクステリア・ステュディオを経験した後、1992年に本社のコンセプトステュディオを任されます。1993年からはVWのエクステリア・ステュディオ・チーフを務め、1995年にデザイン部長だったJ・メイズの後を継ぎました。
アウディのロゴである4つのリングの背景
1932年に、アウディ・ホルヒ・ヴァンダラー・DKWの4社がアウトウニオン(自動車連合)を結成し、ロゴを4社の共生を意味するフォーリングスにしました。1978年に楕円形のアウディロゴになりましたが、1995年には再びフォーリングスのロゴに変わり、2009年に新たなロゴを採用しています。
空力に着目したアウディ
1966年に誕生したアウディ80は、軽快で清潔感のあるデザインで、ヨーロッパのCar of the Yearにも輝きました。VWはこのプラットフォームをパサートにも流用し、4ドア仕様が加えられた1979年の第二世代のモデルもVWパサートとプラットフォームを共有しました。
1986年の80および90は、ヴァルクスの監督で社内のデザイナーが担当。100で採用された段差の小さい空力ウィンドウが特徴的です。1992年に登場した4代目はボディ・室内共にやや拡張されており、質感が大きく向上しました。
100シリーズは1968年から4代続き、94年にはA6と交代、中でもエボックなモデルは3代目C3系です。1979年に、西ドイツ化学技術庁がダイムラー・ベンツ、アウディ、VE、4つの工科大学の4者に、将来の自動車技術で主催的立場を保つための研究を補助金つきで申請、特に省資源の観点から空力対策の開発に注力しました。
これに応えてアウディはプロトタイプを1台開発し、その成果が3代目100に盛り込まれたのです。段差のないサイドウィンドウをはじめ、軽量高剛性のルーフやFRP強化プラスチックのフロアパン、チャイルドシート組み込みのリアシートなど数十項目にわたる改良点がリポートされました。他のブランドも多くの改良点を見出しましたが、アウディのそれは最も現実的だったのです。
- 西ヶ谷周二 ドイツ車のデザイン 三栄書房 2011年1月28日発行
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