ボルボV60のパワーユニットについて

ボルボV60のパワーユニットは、Drive-Eと呼ばれるシリーズが搭載されています。“E”はEfficient Power(高効率高出力)、Electrification(電動化)、Environment(環境性能)に由来するものです。

エンジン形式は直列4気筒に統一され、ガソリンとディーゼル、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッド(PHEV)システムの3系統を展開しています。

構成はPHEVとガソリン

ガソリン・ディーゼル・PHEVの中から日本向けV60に搭載されるのは、ガソリンエンジンの「T5」、PHEVの「T6ツインエンジン」「T8ツインエンジン」の3種類です。

ディーゼルエンジン搭載モデルを日本に導入する計画については今のところないとのことですが、XC60やV40にD4エンジンが搭載されていることからもわかる通り、技術的な問題ではなく純粋に商品戦略上の理由でしょう。V60はガソリンエンジンによる軽快な走りに特化することで、棲み分けを明確化するのが狙いだそうです。

まず、T5からご紹介します。

ボア×ストロークは、Φ82.0mm×93.2mm、実排気量1968ccをシングルスクロールターボで過給し、187kW(254ps)の最高出力と350Nm(35.7kgm)の最大トルクがあります。

シリンダーブロックはアルミダイキャスト製で、鋳鉄製のシリンダーライナーを鋳込んだ方式。ブロック形状はクランクセンターまでのハーフスカート型で、ベアリングビームを一体成型したベッドプレートでクランクシャフトを締結します。クランクジャーナル支持部には、鋳鉄製のリインフォースが鋳込まれており、クランクシャフトの支持剛性を高めて騒音を抑える設計となっています。

動弁系はDOHC4バルブ。ローラーロッカーアームを用いないダイレクトアタック方式ですが、タペットにDLC(ダイアモンド・ライク・カーボン)コーティングを施すことで、低フリクション化を図っています。

カムスプロケットの駆動はコグドベルト方式。以前は「ベルトは切れる」という理由でチェーンに移行する動きがありましたが、チェーンより軽く低騒音であることから復活の兆しを見せています。定期交換が必要とはいえ、高強度繊維の進歩によって指定交換サイクルは24万kmと長くなっています。

カムスプロケットには、吸排気両側に可変タイミング機構を装備。オーバーラップを可変することで、掃気効果による吸気損失の削減効果も。燃料噴射は直噴式で、インジェクターはボアセンターの真上に配置されるバーティカル噴射を採用。ストレート化した吸気ポートでタンブル流を発生させ、圧縮工程でそれを潰して乱流を形成し、燃焼速度を高めるコンセプトです。筒内でガソリンが気化する際の冷却効果や、シリンダーヘッドの冷却水通路を最適化することで耐ノック性を向上させ、圧縮比を10.8まで高めています。

このエンジンにはアイドリングストップ装置が標準装備されていますが、その制御が絶妙です。停止寸前でブレーキ圧を抜くような運転では、ブレーキ踏力が足りずにアイドリングストップが作動しない車が少なくありませんが、V60はきちんと作動します。サイドブレーキのオートホールド機能を利用すれば、アイドリングストップ中もブレーキペダルから足を離して待つことができます。再始動はセルスターターで行いますが、ギヤノイズもよく遮断され、短いクランキング時間でストレスなく始動します。

ギヤボックスはアイシンAW製8速ATをドッキング。100km/h巡行時のエンジン回転数は、メーター読みで約1600rpmと非常に低く、車内は静かです。

プラグイン・ハイブリッドシステムは、T6ツインエンジンとT8ツインエンジンの2種類を用意。XC60のガソリンエンジンにT6と呼ばれるモデルがあるのが少しややこしいのですが、V60にはガソリンエンジンのT6は搭載されず、T6といえばツインエンジンのローパワーバージョンを指します。

ツインエンジンのエンジンはT5のものをベースに過給機の仕様を変更したもので、ターボチャージャーの上流にスーパーチャージャー(SC)を追加したツインジャージシステムを採用しています。SCはイートン社と共同開発したスクリュー式ルーツブロワー。SCはクランクシャフトからベルトで駆動され、内部のギヤで7倍に増速されます。

低回転域の過給はSCが担当し、エンジン回転数が3000rpmに達すると、ターボ単独吸気用のバタフライバルブが開きます。3500rpmでSCは電磁クラッチによって切り離され、それ以上の回転数ではターボチャージャーが単独で過給します。

T6とT8の違いは最大過給圧にあります。T6のエンジン単体の出力/トルクはT5とほぼ同等ですが、T8は最大出力233kW(318ps)、最大トルク400Nm(40.8kgm)と強力になります。

ハイブリッドシステムは、XC60に搭載されているものと共通です。発電機はフライホイールの位置に付いており、エンジン始動にも使用します。モーターとしての能力は、34kW/150Nm(エンジン始動時は180Nm)を有し、パワーモードの際にはアシストモーターとしても機能します。発電機の下流には、T5と同じ8速ATがドッキングされますが、なぜか微妙にファイナルが低いです。

モーター走行(EV走行)用のモーターはリヤデフの位置に付いており、EV走行時にはRWD、ハイブリッド走行時には電動AWDとなります。モーターの最高出力は65kW(87ps)、最大トルクは240Nm(24.5kgm)。減速時のエネルギー回生は、リヤモーターが担当します。

バッテリーはリチウムイオン式で、96セルをフロアトンネル部に搭載しています。冷却は水冷式で、専用の冷却回路を持ちます。冷媒を除いたバッテリーユニットの重量は約113kg。電力容量は30Ahあり、満充電からのEV走行可能距離は、欧州ドライビングサイクルで約43km。

充電は200Vの普通充電のみで、公共の急速充電器には対応していません。しかし、最近の住宅にはたいていエアコン用に200V三相交流が引かれているので、専用コンセントを設置するだけで容易に充電可能となります。充電時間は約2時間半です。

  1. 星野邦久 ボルボV60のすべて 株式会社三栄書房 平成30年12月1日発行
会社名
株式会社 松原オート
ジョイカル京都西店
代表取締役 松原直輝
住所 〒615-0052 京都府京都市右京区西院清水町11−1
TEL 075-311-5904
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